このページはJavaScriptを使用しています。
ブラウザのJavaScriptをONにして御覧ください。

用語の解説
親権者とは
親権者とは,未成年の子の身上を看護教育し,財産を管理するため,身分上及び財産上の権利義務を有する者をいいます。婚姻中は,原則として,父母が親権者となります。
未成年の子がいる夫婦が離婚する場合、夫(父)、妻(母)のいずれかを親権者と定めな
ければなりません。
親権者は,協議離婚の場合,夫婦の話合いで決めます。

 

監護権者とは
両親は,未成年の子の監護及び養育を行う権利を有し義務を負います。この監護及び養育をする者を監護権者といいます。
夫婦が離婚する場合、親権者とは別に,夫(父)、妻(母)のいずれかを監護権者と定めなければなりません。親権者が監護養育も行うのが一般的ですが、他方の親を監護権者とすることもできます。
養育費とは
養育費は、子と生活を共にしていない親が、子と生活を共にしている親に対し、毎月養育に必要な一定額を支払う金銭のことです。
養育費の額は,双方の親の協議により,子一人一人ごとに定めます。協議が整わないときは,家庭裁判所が,双方の親の収入と分担能力,子の必要生活費等を勘案して定めます。家庭裁判所では,簡単な算定表を作成して公開しています(東京家庭裁判所-養育費算定表)。
養育費は,協議離婚届出が受理されなければ給付義務が発生しません。
既に別居状態となっていて,離婚に至るまでの別居期間の養育費の支払を定める場合は,婚姻費用の分担の合意をします。
養育費の終期は,成人の月までとする例が一般的ですが,「高校卒業月まで」,「大学卒業月まで」とする例もあります。
約束した養育費を支払わなかった場合は,養育費の一定額の給付及び執行認諾文言の条項のある公正証書に基づいて,強制執行の申立てができます。養育費については,一度でも不履行があれば,全部について給料等の継続的給付に係る債権の執行ができ,また,差押禁止債権の範囲は2分の1(通常は4分の3)とされています。
面会交流とは
面会交流とは,親権者(監護者を定めたときは監護者)とならなかった親が子と面会・交流することです。
子の監護に関する必要事項として,親の協議により定め,協議が整わないときは家庭裁判所が定めます(民法766条1項)。
面会交流の具体的方法は,両親の協議により定めます。通常は,頻度(月に何回等),場所,時間,宿泊の有無などを定めますが,具体的な方法は協議して定めるということもできます。子が自らの意思を表明できる場合は,これを尊重することが必要です。
財産分与とは
財産分与とは、結婚している間に夫婦が協力して築いた財産を、離婚に際して精算することです。離婚による生活困窮者に対する扶養,離婚慰謝料,過去の婚姻費用の清算を含めることもできるとされています。
土地や建物、定期預金、自動車などの名義が夫婦の一方のみになっていても、財産分与の対象となります。しかし、夫又は妻が自分の親から相続した財産など夫婦が協力して築いた財産ではないものは財産分与の対象となりません。
財産分与は,離婚から2年を経過した後は請求することができません。
慰謝料とは
慰謝料は,身体,自由,名誉等が侵害されたときに,不法行為に基づく精神的損害の賠償として認められるものです。
慰謝料の額については,裁判では,夫婦の婚姻期間,子の有無,不貞行為等の違法行為の内容程度,被害者の苦痛の程度,双方の資力,職業,社会的地位等が考慮されます。
慰謝料は,離婚から3年を経過した後は請求することができません。
精算条項とは
財産分与や慰謝料に関する合意に基づき,その合意内容を公正証書の条項とした場合は,部分的合意であると見られる特段の事情がない限り,その後に,この合意内容と異なる財産分与や慰謝料の請求をすることはできません。
離婚給付契約の当事者間において,この公正証書作成時点で,この契約条項で示す内容の権利義務が存在するのみであって,それ以外の債権債務は存在しないことを確認し,法律関係を明瞭にするための条項を設けることが一般的です。この条項を清算条項といいます。
具体的な条項としては,「甲及び乙は,本件離婚に関し,以上をもってすべて解決したものとし,今後,財産分与,慰謝料等名目のいかんを問わず,互いに何らの財産上の請求をしない。」,「甲及び乙は,本公正証書に定めるほか,何らの債権債務のないことを相互に確認する。」などです。
 
強制執行認諾・執行証書とは
養育費などの金銭の一定額の支払を目的とする請求について,公証人が作成した公正証書において,この金銭債務を履行しないときは直ちに強制執行に服する旨の陳述(意思表示)を強制執行認諾といいます。そして,強制執行認諾の旨の記載のある公正証書を「執行証書」といいます。
養育費などの支払が滞っている場合は,この執行証書によって,家庭裁判所で成立した調停調書、確定した審判書、裁判離婚の確定した判決書と同様,裁判所に対して強制執行の申立てを行い、強制的に相手方の財産(給料や不動産など)から支払を確保することができます。将来部分の養育費に関しても継続して給料の差押をすることができます。
執行証書は,裁判所が関与せずに(裁判所の確定判決等の債務名義を得ることなく)作成される債務名義であり,しかも紛争が発生しない時期に,将来強制執行が必要となる場合に備えて,簡易な方法で作成できるという大きなメリットがあります。
強制執行とは
私的な給付請求権(金銭の支払を求めたり、物の引渡しを求めたりする権利)を国家によって強制的に実現させる手続をいいます。金銭債権の実現を求める強制執行を金銭執行と、金銭以外の債権の実現を求める強制執行を非金銭執行といいます。公正証書は、金銭債権の実現を求める金銭執行のみをすることができます。